タクシー
求人を見るとタクシードラーバーは簡単に見つかりますし、免許さえあればだれでも安直にできるとお思いですが、いいえそんなことはありません。
ドライバーはお客様と一番身近で接触しているわけですから、そういう意味では接客のプロとして望まれます。タクシードライバーはサービス業の先端にいるわけです。
わたしも時にはタクシーに乗りますが、運転手さんによってすこぶる印象が悪かったりします。
こんなタクシーには二度と乗りたくない、と思わせる運転技術であったり、態度であったり・・・
運営会社もこのようなドライバーは決して望んではいませんよね。
さて、タクシードライバーの質が高く、世界のタクシー業界ナンバーワンは、イギリスのドンドンタクシーであるといわれています。
ロンドンのタクシーは、使われている車体の色から「ブラックキャブ」と呼ばれています。
※ニューヨークは黄色の車体のためイエローキャブと呼ばれています。
その台数は、首都ロンドンだけでも2万台以上です。
しかしそのドライバーに必要なライセンス取得は、世界一難易度が高いのです。
そんな優秀なドライバーが運転するタクシーに必要とされるのは、技術の高さはもちろん、法令順守、安全運転はもとより、接客態度、担当エリア地域の把握などの予備知識がなければなりません。
つまり、ロンドンのタクシードライバーは「タクシードライバーのエキスパート」なんですね。
ロンドンでタクシードライバーになるためには、平均34カ月ほどの訓練期間と、最低12回の試験が必要とされます。
その試験内容は、ロンドンのCharring Cross(チャリング・クロス)地区を中心とした半径6マイル(9.6km)内のエリアの指定された
320あるルートを覚えることからはじまり、範囲内の建物名はもちろん、観光地や交差点なども暗唱できるようにならなければなりません。
事故防止のためにナビの使用は認められません。道路の交通規制なども事前に周知しておく必要もあるのですね。
ロンドン交通局によると、このブラックキャブ以外にも「ミニキャブ」と呼ばれるタクシーが存在しますが、
ライセンス取得者よりも知識がなく、遠回りしてしまう可能性がある事も多くあまり信頼されていないとか!
こうなると日本のタクシーはどちらの範疇に属するのでしょうか?
言わずもがなですかね。
このあたりはドライバーの所得に反映されています。
ロンドンタクシードライバーの平均年収は約600万円になるそうです。
日本のタクシードライバーの年収は?この記事一番下に記します。
タクシーは安全運転に気を配り安全に早く目的地までお客様をご案内することが課せられた義務であり使命です。
そのためには、特段の配慮が求められます。それはドライバー個人はもとより会社の運営姿勢もお菊影響します。
人を酷使するような、ブラック企業と呼ばれるような会社はそれだけでパスしたいものです。
タクシードライバーになるためには
◇ ワンランク上の免許証が必要です。
タクシードライバーになるには、第二種運転免許の取得が必要となります。
さらに、第二種運転免許には「21歳以上」の年齢要件に加え、「普通免許の保有3年以上」といった要件があります。
そのため、どんなに早くても21歳以上からになるわけですから、若年層がタクシードライバーになるには、ある程度のハードルが設けられているのです。
ある程度の体力が必要です。
タクシードライバーというくと「運転するだけでしょ?」と思いがちですが、
タクシードライバーの勤務形態は不規則な生活が強いられます。電車が無くなる夜間が稼ぎ時というドラーバーもいるほどです。
ですから、体力が必要となります。
また、法人タクシーの勤務形態は、一日の乗務が8時間でしたら、ずっとその時間は座りっぱなしです。
また、運転をするため気を抜くことは出来ません。そしてさらに、日勤のほかにも夜勤もあります。
そして「隔日勤務」ともなれば、20~30時間のインターバルを挟んで、最大21時間連続運転が望まれる勤務もあります。
はっきり言って、体を壊しかねないです。そのため、不規則な生活になり、20年~30年と長く続けることが困難になります。
さらに、タクシードライバーは歩合制が多く、お客を乗せられなければ給料にも響くので、かなりの精神的プレッシャーもあります。
タクシードライバーの心得
①ルールを順守する
タクシー会社は、交通法規や運輸法令を遵守することを条件に、国から事業認可を得ています。
当然、所属するタクシードライバーにも、法律の順守を徹底させることが求められます。
そのため、日々の業務に出かける前には、運行管理担当者とドライバーが対面して点呼をおこない、法律順守の意識付けを行います。
し車両の始業前点検なども日課として行ってます。
加えて、社内において定期的に法律に関する研修を行っています。
しかしながら、ドラーバーによっては、実際に法律が守られているかというと、必ずしもそうではありません。
スピード超過や信号無視、一時停止無視などの違反も度々見かけます。
そういった違反の兆候は、タクシーに取り付けたタコグラフ(運行記録計)の分析によって、管理されています。
たとえば「速度超過が多い」「急発進や急ブレーキが多い」といった運転傾向を見つけることで、法令順守意識の低さを把握し、個別に指導していく必要があります。
②シートベルト着用は乗客の命綱
わたしたち一般のドライバーでも着用が義務付けられているシートベルト。
これはタクシーの乗客にも適応されます。
万が一のことを考えて「お客様の安全のためにシートベルトの着用」は必須ですね。
ちなみにこちらはニューヨークのタクシーですが、お客様のシートベルト着用がなされないと決して発車しないよ言うことです。
しかし、我が国においては、後部座席でのシートベルト着用の必要性に対する意識がまだまだ甘く、依頼しても着用しない乗客が多いのも実情です。
特に、酔っぱらったお客は手に負えないといいます。この辺はロンドンやニューヨークには遠く及ばないところでしょうか。
③接客態度
先にも申し上げた通り、タクシーはサービス業です。
決して物を運ぶ運送業ではありません。
ドライバーはお客さまと同じ車の中にいて出発から到着まで時と場所を一にしているのです。
お客様によっては車の中で眠りりたい等の事情もよく観察して、お客様が何を望んでいるのかそれを察知することも必要です。
④地域の地図や道路事情を把握する
近頃はナビを使うドライバーもいますが、ロンドンでは厳禁であるそうです。
が、ナビが本当に信頼されるのか?このへんははっきり言って疑問です。
ナビのメーカーによっては、わざわざ遠回りしたり、バイパスがあるのに旧道を行かせたり使えないナビも多いです。
ですから、地域の地図は頭に入れておくべきです。
道路の工事などの事情も日々更新して頭に入れておくべきです。
タクシードライバーの傾向と問題点
高齢化
最近のタクシードライバーを見ると高齢者がハンドルを握っていることが多いですね。
近年、高齢者ドライバーによる事故が後を絶ちませんが、プロであるタクシードライバーも例外ではないようです。
厚生労働省が実施している「賃金構造基本統計調査」の年代別就労者の割合推計では、タクシードライバーの年齢層の割合が、
2005年時点では65歳以上が「5.6%」でしたが、2015年の調査では「27.4%」まで上昇していたことが分かりました。
● 60~64歳:27.1%
● 55~59歳:18.0%
● 50~54歳:11.1%
なんんと!タクシードライバーの平均年齢が59歳なんですね。
2015年時点でのタクシードライバーの平均年齢は「59.0歳」で、10年前の2005年より「4.1歳」も上昇しています。
全産業平均年齢の平均年齢上昇は「1.5歳」しか上昇していないことを考えると、いかにタクシー業界の高齢化が進んでいることが分かります。
賃金が安い
タクシー業界の高齢化が進んだ原因は、第一に賃金の問題があります。
国土交通省の推計で、全産業の平均所得「約536万円」に対して、タクシードライバーの年間平均所得は2014年時点で「約302万円」と相当低いことが上げれます。
そしてに、タクシードライバーは歩合制をとっているところがほとんです。そのため、たくさんの客を乗せなければ、満足のいく給料がもらえません。
さりとて24時間働きずめは自ずから無理があり、低所得のままということです。
つまり、若い人はタクシー乗務員にはなりたくないのです。必然高齢化が進むということにつながっているのですね。