保育士
少子化とはいえ、親ともなれば、子供の育成にはどなたも気を使うこととと思います。
本当は、親が保護者なんですから、幼稚園に入るころまでは親が面倒を見るのが当たり前と思うのですが
昨今、経済環境の低下に伴う労働形態の変化とともに、子を持つ母親も社会に出て働く、そんな風景が当たり前となっています。
昔は、結婚した女性を家内と呼び、子育てとともに家事をこなし家を守ることを前提にしていました。
わたしは、この姿こそが、少子化に歯止めをかける有効な手立てだと考えます。
かつて、一家を支える財政面は、夫である男性が担っていたのですね。
農家など自営業では、一概にそうではないかもしれませんが、少なくてもサラリーマン家庭ではそうです。
それが崩れたのは、終身雇用制が終わり、一家の大黒柱である男性側の所得が、不安定になったからだとわたしは思います。
会社に勤めても雇用は保証されず、何時いかなる時に解雇されるかわからない。給料も上がらない。
そんな状況では子供を育てられない、一人っ子が多いのもその理由からでしょう。
その一人っ子も家庭では育てられない。ゆえに母親も小さな子供を預けてでも働かなくてはならない。
このような事情から保育所の需要が増えていったのでしょうね。
現在では、その保育所もまだまだ不足です。子供ができても働く女性が増え(好むと好まざるに関わらず)
いまや女性も家内などと呼べないような時代なっています。
そこで重要になるのが、保育所の充実とその仕事に携わる保育士の方々です。
では保育士とはどんな仕事なのでしょうか?
保育士とは
保育士(ほいくし、英: Childcare Worker)とは、一般に保育所など児童福祉施設において子供の保育を行う者を指し、日本の国家資格の一つです。
学歴によっては保育士と幼稚園教諭免許状(一種・二種免許状)の、双方の国家資格・教育職員免許状を取得することも可能です。
保育士の単一資格者は後にオプションとして、幼稚園教諭免許状(一種・二種免許状)の教育職員免許状取得を目指す者も多いです。
その仕事内容はおよそ下記の通りです。
保育士の仕事というと、子どもを預かることがメインであると考えられますが、ただ預かればいいというわけではありません。
幼い子供にとって、このころのしつけや教育はその後の人生に大きく影響するからです。
保育士は、子どもたちと接するうえで、基本的な生活習慣を身につけさせなければなりません。
これには、食事や睡眠、排せつ、清潔、衣類の着脱などがあり、幼児期に人間が身につけることが大切とされているものです。
また、保育士は子ども一人ひとりの健康状態、行動などをいつでもチェックしなければなりません。
子どもの身の回りの世話をはじめ、子どもが求めていることを適切な形で満たしますが、これには子どもの気持ちを理解することが必要不可欠です。
保育士の勤務体系はすべての保育士が同じではなく、早番、中番、遅番などシフト制を適用している保育園が多いです。
朝
朝は子どもたちよりも早く出勤して掃除や換気を行い、設備の点検などを行います。登園時間になったら、子どもたちを出迎え、保護者に声をかけ体調や変わった点の有無などを尋ねます。
空き時間には職員朝礼を行い、出欠状況の確認、子どもたちの健康状態の状況について情報交換をします。
園児がそろったら朝の会やあいさつ、体操などをします。
昼
保育所や年齢により、午前中におやつ時間がありますが、自由遊びの時間には安全に注意して見守ります。
お天気が良ければ園外に散歩に出たり、水遊びをしたりします。
昼食の準備も保育士の仕事です。子どもたちに手洗い・うがいをさせて衛生面に留意しながら配膳し、楽しい食事時間を作ります。
昼食後は歯磨きをさせお昼寝です。寝巻きに着替える手伝いをして、布団を敷いて寝付くまで絵本などを読み聞かせます。
子どもたちが寝ている間に片付けや連絡帳の記入、行事準備などをします。
夕
お昼寝が終わったら室内や園内で遊ばせ、保護者のお迎えを待ちます。
保護者が迎えに来たら、その日の様子などを伝えるのも大切です。
さらに、お知らせや保育所だよりなどの作成や、施設の安全点検なども保育士の仕事です。
教材の検討・選定など、場合によっては自分で教材を作成することもあります。
保育士の資格について
保育士になるためには保育士の資格が必要となります。
資格を取得する方法としては、大学、短大、専門学校などの保育士養成施設において定められた課程を修了する方法と保育士試験を受験し合格する方法の2つの方法があります。
厚生労働省の指定する養成校の指定の学部・学科を卒業すると自動的に保育士の資格を取得することができます。
学校の卒業には、短大や専門学校であっても2年もしくは3年間学校に通う必要があり、実習や試験勉強などをこなし、通学する必要があります。
そのような養成機関を卒業する他にも、国家試験に合格すれば資格を取ることが可能です
保育士の試験は驚くほど難しいわけではありませんが、合格率は10〜20%と特別な対策なしに合格するほど簡単な試験ではありません。
科目によっては、細かな部分まで問われることもあり、時間をかけて勉強する必要があります。
独学、もしくは夜間の学校に通う、通信教育を受けるなど自分に合った方法を選んでいく必要があります。
保育士試験について
保育士試験は、大きく分けるとマークシート方式の筆記試験と、筆記試験合格者のみ受けることが出来る実技試験の2つの試験があります。
保育士になるためには、この2つの試験に合格する必要があります。
筆記試験では、保育原理、教育原理及び社会的養護、児童家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論の8科目となります。
それぞれの合格ラインは6割程度となっております。学科については、一部合格の制度があり、学科の中で合格した科目については、次の年の試験では免除されます。
科目の有効期間については3年間有効です。保育士になるためには有効期間内に全科目合格する必要があります。
学科試験合格後の実技試験については、音楽表現に関する技術、造形表現に関する技術、言語表現に関する技術の3つの分野から2つの分野を選んで行います。
保育士の問題
近年、保育所に入所することを希望しながらも、種々の理由により入所できない待機児童が、平成23年(2011年)4月1日時点で約2.5万人もいます。
そのため政府・地方自治体は待機児童の解消の施策により保育所等の増設を進めているますが、大都市を中心に保育所や認可外保育施設の新設が進んだ地域では、保育士の人材不足という新たな課題に直面しています。
たとえば、横浜市では、認可保育園が保育士不足により、休園する事例が出ているといいます。
ただし、保育士の人材不足の原因の主因は、保育園の増加ではないとも言われています。
専門職にも関わらず、保育士の長時間労働と平均年収315万円という低賃金が主因であることは間違い入りません。
給与が上がりにくいのは、そもそもの市場原理・需要と供給という仕組みが働かないことが背景にあるようです。
といっても、低賃金だから給料を上げるとなれば、その負担は利用者に行くか、それとも国家が支えるか、その両方か、ものすごく根が深い問題なんですね。
市場原理を働かせるためには利用料に保育士の賃上げ分を反映させること必要なので、必然的に上記の問題に結び付くのです。
この問題は老人介護の問題にも当てはまります。
保母さん、保父さんから保育士へ
1999年以前の正確な資格名は「保母」が当たり前でした。
それまで、この職業に従事する者は、ほぼ例外なく女性でしたが、1985年(昭和60年)の均等法や1999年の男女共同参画社会基本法の制定を契機として、1990年代から徐々に男性保母の就労数も増えていきました。
保母に対しては保母さんという敬称や呼びかけを用いるのが通例でしたが、男性に対して保母さんと呼ぶにはいささか抵抗のある向きも少なくなかった為、保父(ほふ)という言葉がつくられ、保父さんという呼び名が用いられていました。
これは、病院の看護婦と看護士の例などがありますね。
しかし、あくまでも正式な名称は「保母」であるため公式文書の職業欄には正式名称である「保母」と記入しなければならず、男性の保育業務従事者には不満でしった。
当たり前ですよ。ったく、国は何を考えてこんな制度にしたんでしょうか?わたしには理解できません。
で、総務省行政監察局(当時)の行政相談に意見が寄せられ、これを契機に名称の見直しがなされ、1999年4月1日、男女雇用機会均等法の大幅な改正に伴い、児童福祉法施行令が改正されて性別に依存しない現在の呼び名である「保育士」に改称されたものです。
そのおかげかやっと男性保育士も市民権を得て、男性保育士を扱ったテレビドラマやドキュメンタリーでよく取り上げられているのは良く知られるところです。
男性保育士の有用性も指摘されており、男性の増加に期待する向きも少なくないのですが、ここで問題になるのはやはり収入です。
ところが、保育現場は長年女性の職域であったため、待遇の不満や、就労に必要な設備(男子更衣室・男子トイレ等)が欠落している等の理由の他に、求人の段階で氏での仕分けされ、女性しか採用しないとする保育所も未だ存在します。
つまり、男性保育士の就労が阻まれているのですね。
でも一番の問題は男性女性に限らず、先述した平均年収315万円では、家庭をもって子育てをするという、基本的家庭の幸せが望めないじゃないでか!
これは昭和の60年代から顕著になった男女共同参画社会基本法がさほど良い方向ではなかったということです。
わたしは個人的にはそう思います。
子育てについて思うこと
子育て、少子化様々な問題はやはり、男女で仕事は分担すべきです。夫が稼ぎ、女性は子育てそして家を守る。
※ただし、女性が働きたい、男が子育てしたいなど個人の主張、権利は守らなければなりません。
日本はアマテラス、卑弥呼の昔から、女性上位社会だったんです。
女性は子孫を残すための子を産み育てる、一番大事な分野を担っているのですね。
男は子づくりしたら実は用無しなんです。用があるとしたら、子が成人するまで費用を稼ぐだけです。
ですから、その時まで一家を支えるだけの所得が得られる終身雇用性は、もっとも子育てに適した環境が得られ、その制度こそが昭和20年以降の高度成長時代を支えていたのです。
そういう意味で、グローバル化を推し進め、従業員をコストと切り捨てた小泉、竹中の規制緩和政策は大失敗だったと云わざるを得ませんね。
そんなことをすれば、日本は世界からおいて行かれた?
何言ってんですか、日本のこの20年間、先進国中で最下位の低成長はいったい何なんだったんでしょうか?
と言えば、彼らは、規制緩和が足りなかったとうそぶきます。
少子化や子育て問題を解消するためには、まず雇用はどうあるべきかを真剣に考え直す時が来ているのかもしれませんね。
どうしたら、この日本が、低成長から抜け出せるのか!?新しい目を持った政治家の出現が望まれるところです。
そしてその根源に、政治家や企業のトップは、政治家である前に、企業家である前に、一人の人間として、国民や従業員をどう考えるのか?
国民や従業員は、同じ時代を生きる同志、同じ魂を持ったかけがえのない存在、そう考えてミッションを果たしてほしいものです。