看護師
看護師の職場について
看護師の就業先として最も多いのは病院ですね。
2016年のデータですが、看護師の約72%が病院で働いているのです。
20代前半に限定すると、95%以上の看護師が病院に勤務しており、新卒時は、看護職員が複数名在籍していて、設備が整っている環境を希望する方が多いことが伺えます。
その後、年齢階級が高くなるにつれて、クリニックや介護保険施設等、訪問看護ステーションなどに勤務する方の比率が増加しています。
これらの職場は、病院と比べて看護職員の在籍数が少ないことから、ある程度経験を積んだうえで転職するのが一般的です。
准看護師に目を向けると、看護師と同様に病院で働く方が最も多いものの、その割合は約40%ほどです。
一方でクリニックと介護保険施設等で働く准看護師数を合算すると過半数を超えており、看護師とは異なった傾向がみられます。
実は、2004年末時点では、病院で働く准看護師は約52%と過半数を超えていました。
就業場所が変化している背景には、看護師養成の一本化に向けた動きのなかで准看護師の新規資格取得者が減少し、相対的にこれまで病院へ入職していた新卒者自体が減っていることがあると考えられます。
高齢が進むとともに看護師の必要性はますます高まり重要視されています。
看護師とは
日本において看護師は、法的には「政府より免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦(褥婦(じょくふ)=出産後の女性)に対する療養上の世話、又は診療の補助を行うことを業とする者」と保健師助産師看護師法に定められています。
2006年の法改正により、業務独占規定に加え、名称独占規定が設けられました。
この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいいます。(法第5条)
また「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいいます。(法第6条)
看護の仕事は、遠くイギリスにおいて、フロレンス・ナイチンゲールが出現するまでは、社会的に確立していませんでした。
病人や負傷者への看護は、主に身内によって行われていました。
クリミア戦争から帰還したナイチンゲールは、戦場で傷ついた兵士のあまりにもむごい惨状をかえりみて看護の必要性に思いを寄せます。
1860年『看護覚え書』(“Notes on Nursing”,1860)という書物を著して、その中で看護のあり方や考え方を人々に説きました。
そして人類史上初めて、この本の中で「看護とは何か」という定義を明らかにしたのです。
また同年、ナイチンゲールはロンドンに看護婦養成所を設立し、ここに本格的な養成教育をスタートさせました。
ナイチンゲール方式と呼ばれる教育システムは、日本にも多大な影響を与え、ナイチンゲールの教えは長く我が国の看護の礎となりました。
日本に於いて初期の看護教育は、日本赤十字社によって行われました。
救護看護師を養成するため、明治19(1886)年に、博愛社病院(後の日本赤十字社病院、現日本赤十字社医療センター)を設立しました。
明治22(1889)年6月14日に、「日本赤十字社看護婦養成規則」を制定、同年11月に、「第一回看護婦生徒募集並養成手続き草案」が成り、生徒募集を10人と定め、明治23(1890)年から、養成を開始しています。
明治24(1891)年、濃尾大地震(死者約7000人、負傷者約1万7000人)において、第一回生10人全員と従来からいた看護婦10人、計20人が救護班に加わり、救護活動を行ないました。
このように病院は医師とともに看護師の出現によって近代医学療法が確立していったのです。
ナイチンゲールが夢に描いた看護体制が確率したことによって,私たちが癒されていることは周知のとおりです。
白衣の天使
白衣の天使(はくいのてんし、英: The White Angel)は、1936年に発表されたウィリアム・ディーターレ監督によるケイ・フランシス主演のアメリカの歴史映画です。
この映画は、クリミア戦争中のフローレンス・ナイチンゲールの看護における先駆的な役割を描いてる物語ですが、この映画の邦題である「白衣の天使」は、日本において、戦地に赴くナイチンゲールのイメージに基づき、太平洋戦争中には「白衣の天使となり、白衣の勇士をみとるのが生き方だ」と女学生に訓示されるなど、戦意高揚と戦時動員に利用されたりもしました。
ともあれ、戦争であれ、日常の中であれ、疾病に苦しむ人々を救済する職業はまさに天使の仕事です。
されば、そのようなシステムを提唱し世界に広げる先駆けとなったナイチンゲールその人こそ、真の天使であったということでしょうね。
看護師と准看護師
准看護師とは
世間一般にいわれている『看護師』ですが、実際には2種類あります。
厚生労働大臣発行の国家資格である看護師と、都道府県知事発行の免許である准看護師です。
准看護師の業務内容としては、看護師と同じように患者さんのケアを行います。
しかし、看護師とは違い准看護師は「医師・歯科医師又は看護師の指示を受けて」業務を行います。
准看護師は、2016年末現在で約34万人が就業しており、就業場所としては、約4割は病院勤務、約6割が診療所や訪問看護ステーション、社会福祉施設、介護保険施設等で勤務しています。
准看護師の資格取得メリット
1.2年間で資格が取得でき、費用も安い
・看護師よりも資格を取る期間が短いため、資格取得までにかかる費用が必然的に少ないということです。
できるだけ早く看護職の仕事に就きたい、きちんと資格を持って働きたい、という人には最適の資格といえます。
2.働きながら資格取得ができる
・2年間の准看護師養成所では通学スタイルが異なります(①朝から夕方まで授業を行う全日制②平日の午後や夜間に授業を行う半日制)。
ご自身の生活スタイルにあわせて選ぶことができ、働きながら資格取得することができます。
事前に、志望する学校の時間割を確認し、仕事を持ちながらでも無理なく通えるかどうか確認しておくことが重要です。
3.准看護師試験の合格率は高く、同年に複数回の受験が可能
・准看護師試験は、各都道府県(6ブロック)で開催されており、出題内容・難易度は県によって多少異なるのですが合格率は全国平均97~98%と非常に高いです。
また、試験日が各都道府県(6ブロック)異なるため、同年に複数回の受験が可能となります(各都道府県の准看護師試験受験要項に沿って願書提出・受理を要す)。
4.准看護師でも就職できる(就職が困難ではない)
・准看護師は中小の病院や精神科病院、クリニックや介護施設などには欠かせない存在です。
仕事先に困ることはありません。
看護師になるには
看護師になるには、看護師国家試験に合格する必要があります。
受験資格は、大学や3年制短大の看護系学科、または病院や大学の医学部に付属する3年制看護学校などを卒業すると得られます。
なお、大学や4年制専門学校の中には、看護師と保健師・助産師のカリキュラムを統合して学べるところもあり、卒業時に保健師・助産師の国家試験受験資格も得ることができます。
ただし、保健師・助産師になるためには、看護師国家試験に合格している必要があります。
近年の看護のニーズの高まりに応じて、看護師を養成する大学・学部は増えてきている傾向にあります。
2018年の国家試験では、受験者6万4,488人、合格者5万8,682人、合格率は91.0%でした。
定年後にも看護師として働きたいけど・・・
法人に勤めており以上停年はあります。
定年を迎えたら、リタイヤする、あるいは内にの職場を探して転職する。あるいは嘱託となって働く。いろいろですね。
ところが看護師のお仕事は、高齢化社会を背景に、また健康で元気な若々しい高齢者の方がどんどん増えていることにより定年後も働く看護師が増え、今後も増加する可能性が高いと目されています。
60代~70代の看護師求人も意外にあります。
試しに、「看護師 定年後 求人」「看護師 60代 求人」などのキーワードでインターネット検索をしてみりと意外や意外、結構募集しています。
特に介護施設や個人経営のクリニック、あるいは短時間勤務のパートさんの募集などには「定年後の再就職も歓迎」としているケースが沢山あります。
看護師は年代を問わず人手不足が続いている業界ですし、むしろ高齢で経験豊富な看護師の知識を求めている病院や施設も少なくないことは確かです。
「自分は高齢だからもう再就職は無理かも」と思い込まず、まだまだお元気で働く意欲がある方ら経験を活かして再就職をめざしてみるのも良いでしょう。