ロシア軍10万人が国境に集結「ウクライナ侵攻」前夜か!?
ロシア、ウクライナ侵攻へ「偽旗作戦」準備 米が主張
【1月15日 AFP】米政府は14日、ロシアがウクライナ侵攻の口実を作る「偽旗作戦」を実行するため、爆発物の訓練を受けた工作員を配置したとの情報を入手したことを明らかにした。
ロシアはウクライナとの国境に大規模な兵力を集結させている。
ジェイク・サリバン(Jake Sullivan)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は13日、ロシアが「侵攻の口実をでっち上げられるよう下地作りをしている」と発言していた。
ジェン・サキ(Jen Psaki)米大統領報道官は、米情報機関の見解として、ロシアが1月中旬から2月中旬の間に作戦を開始し、その「数週間」後には軍事侵攻する可能性があると説明。
「ロシアがウクライナ東部で偽旗作戦を行うために、すでに工作員グループを配置していることを示す情報がある」と述べた。
ロシアの工作員は「自国側の代理勢力に対する破壊工作」を実施すべく、市街戦や爆発物の使用について訓練を受けているとされる。
ロシアは同時に、ソーシャルメディア上で偽情報拡散活動を展開し、ウクライナの人権侵害や、西側諸国による挑発行為を非難する投稿などを行っているという。
ロシア側はこの情報を直ちに否定。ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は国営タス通信(TASS)に対し、米国の主張には「根拠がない」と述べた。(c)AFP
ロシア軍はウクライナでの戦争の準備をしていますか?
米国のジョー・バイデン大統領は確かにある種の軍事行動を期待している。
ロシアは、ウクライナがNATOの防衛同盟に参加しないことを西側に約束することを望んでおり、双方が交渉しているが、それは起こらないだろう。
次に起こることは、ヨーロッパの安全保障構造全体を危険にさらす可能性があります。
ロシアがウクライナを脅かしているのはなぜですか?
ロシアは侵略の計画を否定しているが、以前(ソ連時代)にウクライナの領土を占領しており、国境近くに推定10万人の軍隊が配備されている。
ロシアは、ウクライナが求めるヨーロッパの制度、NATOの動きに長い間抵抗してきました。
ウクライナはEUとロシアの両方と国境を接していますが、旧ソ連としてロシアと深い社会的、文化的関係があり、ロシア語が広く話されています。
ウクライナ人が2014年の初めに親ロシア大統領を解任したとき、ロシアはウクライナのクリミア半島南部を併合し、ウクライナ東部の広い範囲を占領した分離主義者を支援しました。
反政府勢力は、14,000人以上の命を奪った紛争以来、ウクライナ軍と戦ってきました。
侵入のリスクはどのくらいですか?
ロシアは、ウクライナを攻撃する計画はないと述べている。
軍隊長のヴァレリー・ゲラシモフは、差し迫った侵略の報告を嘘として非難した。
しかし、緊張は高く、ウラジーミル・プーチン大統領は、彼が西側の攻撃的なアプローチと呼んでいるものが続けば、「適切な報復的な軍事技術的措置」を脅かしている。
北大西洋条約機構事務総長は、紛争のリスクは現実のものであり、バイデン大統領は、ロシアが侵入すると推測していると警告している。
ロシアのテレビは、ウクライナとの国境近くで戦車の演習の写真を表示しています。
米国は、ロシアがウクライナの近くに配置された軍隊について説明を提供していないと言います。
そしてロシアの軍隊と戦車は演習のためにベラルーシに向かった。
ロシアの外務副大臣は、現在の状況を、米国とソビエト連邦が核戦争に近づいた1962年のキューバ危機と比較した。
西側の諜報機関は、ロシアの侵入または侵入が2022年初頭に発生する可能性があることを示唆しています。
ウクライナについて
地勢
ウクライナの国土の半分は平野で,北部にはポリッシャ湿地,東部にはドネツク丘陵,西部にカルパチア山脈から続く高地がある。
中央部及び南部の平野は,肥沃な黒土に被われ,小麦などの耕作地が広がり,ロシア帝政時代から「欧州の穀倉地帯」と呼ばれている。
首都
キエフ市(北緯50度25分,東経30度30分(樺太北部,フランクフルト(ドイツ), ウィニペグ(カナダ)とほぼ同緯度))
人口
4,252万人(2017年4月現在推計:国家統計局。
被占領中のクリミア自治共和国及びセヴァストーポリ市を除く。(一部地域については暫定値。)
面積
60万3,500平方キロメートル(日本の約1.6倍)
民族構成
ウクライナ人77.8%,ロシア人17.3%,ベラルーシ人0.6%,モルドバ人0.5%,ブルガリア人0.4%,クリミア・タタール人0.5%,
ハンガリー人0.3%,ルーマニア人0.3%,ポーランド人0.3%,ユダヤ人0.2%,アルメニア人0.2%,ギリシャ人0.2%,タタール0.2% (2001年統計)
言語
ウクライナ語(ウクライナ憲法により国語と規定されている。
東スラヴ語の一つでロシア語、ベラルーシ語が兄弟関係にあるが、ポーランド語と共通する語彙も多く見られる。)
ウクライナ人にとってロシア語は旧ソ連時代の公用語だったこともあり、多くの者は両語を理解し、ウクライナ語とロシア語の混同も見受けられる。
ロシアとウクライナ
両国にはどんな歴史があったのか?
ロシアとウクライナは、もともと「ルーシ」という同じ民族でした。
ギリシアのキリスト教(ギリシア正教)を受け入れ、文化的にはヨーロッパの一員なのです。
しかし「ルーシ」は、モンゴル軍の侵攻によって破壊されてしまいます。
その後、黒海沿岸の草原地帯ではコサックと呼ばれる「武士団」が成長し、モンゴル支配を脱すると、西の隣国ポーランドの保護下に入りました。
これがウクライナです。
北方では、モンゴル支配を脱したモスクワの政権――ロシア帝国が強大化します。
このロシア帝国がポーランドを滅ぼし、ウクライナも併合してしまったのです。
ロシア革命に乗じて一時、独立したウクライナでしたが、ソ連(共産ロシア)によって再征服されます。
スターリンはウクライナに輸出用穀物の供出を強制し、外貨を稼ぎました。この結果、ウクライナでは数百万人が餓死する大飢饉が起こります。
ソ連崩壊に乗じて、ウクライナは3度目の独立を達成します。
しかし独立後も、ソ連時代の指導部と共産党の官僚組織、非効率な国営企業が温存されたため経済は低迷しました。
そこで、EU(欧州連合)加盟を目指す親西欧派の人たちが西部で台頭し、2007年のオレンジ革命で親ロシア派の政権を倒します。
米国の投資家ジョージ=ソロスが莫大な資金援助を行い、「革命」を演出しました。
東部のロシア系住民は猛反発し、ロシアのプーチン政権はウクライナ向けの天然ガス供給を削減するなど圧力をかけたのです。
ギリシアとウクライナは、地政学的条件がよく似ています。
ともにロシアが黒海から地中海へ出ようとする通り道なのです。
ここに親欧米政権を樹立してロシアを封じ込めるため、欧米諸国はギリシアへの莫大な経済援助を続けてきました。
しかしEU加盟には「財政赤字が対GDP比3%以下」という条件があります。
ギリシアの場合、この数字の粉飾が露見してユーロが暴落しました。
ウクライナの財政は、対GDP比4%台の赤字。
これを3%以下に抑えようとすれば、公務員数の削減、公共料金値上げなど、ウクライナ国民が痛みに耐えなければなりません。
こうしてEU加盟交渉が行き詰ったあと、今度はロシアから甘い誘いが来ます。
財政支援と天然ガスの提供…
この結果、2010年の大統領選挙では親ロシア派のヤヌコヴィッチが僅差で復活当選します。
ロシアから150億ドルの財政支援を提示され、EU加盟交渉を打ち切りました。
しかし今度は親欧米派が猛反発し、今回(2014年)の政変でヤヌコヴィッチ政権を打倒したのです。
また同じことの繰り返しです。
ウクライナ親欧米政権に対し、ロシアは天然ガスの供給を削減するでしょう。
EUに加盟を申請すれば、「財政赤字が3%を越えているからダメだ、財政改革しろ」と迫られる。
ウクライナ本土は暖房にも事欠くという状況が続きます。
経済的にはロシアに依存しつつ、ロシアからの政治的独立を求めるところに、ウクライナが抱える根本的な矛盾があるわけです。
ロシアがウクライナを欲するわけ
一言で簡単に言うのなら、ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)に入りたい、ロシアは阻止したいーーということだ。
その前をたどると、ウクライナは欧州連合(EU)に入りたかった。だから、加盟国候補になるための正式な手順の一歩として、EUと連合協定というものを結ぼうとした。
これにロシアがこれに焦り、2014年のウクライナ危機は起きた。
住民投票でロシア帰属が選ばれたという形で、ロシアはクリミア半島を併合したのだった。
クリミア半島は、黒海から地中海に出る事ができる、戦略上の極めて重要な要衝だ。
ここだけは、どうしてもロシアは確保したかったのだ。
それまでウクライナは、大変おおざっぱに言うのなら、今のベラルーシと同じように、ソ連崩壊後に独立国にはなったものの、親ロシア国としてロシアの意を決して無視しないような国だった。
ロシアから見ると影響力を保持していた。
それが、ウクライナがEUに加盟したがったことで、崩れていったのだ。
それ以来ずっと、ウクライナ東部でロシアと国境を接する地域では、内戦が続いている。
地域の名前にちなんで「ドンバス内戦(戦争)」と呼ばれている。
危機は続いているものの、EUとの連合協定は結ばれた。
強調すると、これはEU加盟国の「候補」になるための第一歩であり、将来EUに加盟できる保証はない。それでも、第一歩がなければ何も始まらない。
パリに住んでいると、本当にウクライナ人が多いというか、増えたように思う。
ウクライナにとって次のステップは、NATOである。
EUは軍事組織ではない。
欧州の防衛・軍事は、アメリカをトップとしたNATOの枠組みとなっている。
ロシアがらみの内戦が続くウクライナとしては、自国の安全保障のために、どうしてもNATOに入りたいのだ。
一方ロシアはアメリカに、ウクライナにNATO軍を派遣しないことや、NATOに加盟させない等の安全保障を要求している。
ロシア軍はここ数ヶ月、ウクライナの国境近くで訓練演習を行っています。
ここでは、ウクライナのすぐ東にあるロストフ州の射撃場で兵士が訓練に参加しています。 (AP通信)
ロシア軍がウクライナを3つの方向から圧迫し続けているため、カナダとそのNATOの同盟国は、ますます不安定な状況を悪化させようとしています。
ウクライナでの紛争の可能性とそれがどのように発生するかについて知っておくべきことは次のとおりです。
国境で何が起こっているのですか?
ロシアはウクライナとの国境に沿って約10万人の軍隊を集めており、クレムリンがこの冬のいつか本格的な侵略を開始する準備をしている可能性があることを示唆している。
ウクライナの諜報機関によると、ロシアはウクライナの北、東、南の国境に兵士、戦車、大砲、装甲車を配置しています。
ウクライナ東部のロシア軍は、2014年以来、モスクワに支援された分離主義者がウクライナ軍と戦ってきたウクライナの主にロシア語を話す地域であるドンバス地域の近くに集まっています。
クレムリンはその行動を擁護し、軍隊を自国の領土内で移動させる権利があると述べた。
しかし、多数の軍隊と武器の異常な動きは、ロシアが侵略を計画していること、または侵略が差し迫っていることをウクライナとその同盟国に納得させようとしていることを示唆しています。
ロシアは、安全を守るために、いわゆる「軍事技術的」措置を講じると述べた。
それが正確に何を意味するのかは明確ではありません。
そしてモスクワはそれをそのように望んでいるかもしれません。
ロシアは何を望んでいますか?
ロシアは、NATOがウクライナに拡大するのを阻止したいと言っています。
しかし、それだけではありません。
クレムリンは、NATOがロシアが勢力圏の一部と見なしている地域に東方に拡大しないことの保証を求めています。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はまた、米国に核兵器をヨーロッパから撤去し、西側の同盟国が東ヨーロッパのいくつかの国で軍隊を交代させるのをやめるよう求めた。
プーチンは、西側が「私たちの家の敷居で」「攻撃的な」コースを受講したと非難した。
これらの要求に応えることは、冷戦時代のヨーロッパの権力の分断を効果的に回復し、ロシアはその勢力圏をさらに西に拡大するでしょう。
ヨーロッパと北アメリカの30カ国を代表するNATO当局者は、プーチンの要求をきっぱりと拒否しました。
ロシアは現在、膠着状態を打破する方法として軍事行動を脅かしているように見えます。
ウクライナ東部のドンバス地域は現在、政府が管理する地域(黄色)とロシアが支援する分離主義者が所有する地域(オレンジ)に分かれています。
反対側は2014年以来戦っています。 (CBC)
ウクライナは何を望んでいますか?
西側とロシアの両方と独特の政治的および文化的関係を持っているウクライナは、北大西洋条約機構と長く複雑な関係を持っています。
2019年に就任したウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、自国の西側との関係を強化しようと試みました。
彼は、NATOがウクライナの加盟要請を迅速化するために積極的にロビー活動を行ってきました。
以前のウクライナ政府の中には、ロシアとの緊密な関係を追求したものもありました。
NATOに加盟することで、ウクライナははるかに高度な安全を確保することができます。
NATOの30人のメンバーのそれぞれは、ウクライナが攻撃された場合、ウクライナを守る義務があります。
ロシアが侵略した場合はどうなりますか?
侵略の結果は、ロシアの侵略軍の規模とその戦術に依存します。
ブルッキングス研究所の安全保障政策の専門家であるコンスタンツェ・シュテルツェンミュラー氏は、2014年にロシアがクリミアを併合して以来、ウクライナの軍隊は大幅に改善したと述べた。
「ウクライナ軍はロシアに非常に困難な時間を与える可能性がある」とステルゼンモーラー(Stelzenmüller)はCBCニュースに語った。
なお、アメリカのジョー・バイデン大統領は19日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナに「侵攻」するとの見解を示し、もし侵攻すれば「ロシアにとって大惨事」になるだろうと警告している。