迫り来る終末のシャットダウン、EUの「船を止める」努力、そしてコントロールができるのか?
大量の不法移民にあえぐ列強
EU、アメリカは流入する移民にあえいでいる。
ドイツはメリケル以来多くの移民を受け入れてきたが、ここへきて移民に歯止めをかけようとする勢力AFDが台頭している。移民外国人による横行が目立ってきたからだ。彼らにより治安が乱れている。
イギリスでは押し寄せる移民に困り果て、その対策に、移民者らをアフリカの国に金を払い再移民させる計画を立てている。
何処の国でもそうだが、一定程度の秩序を持った国へ、人種、言語、文化、習慣、宗教などは違う民族が大量に流入すると様々な軋轢がうまれる。
すでに日本でも川口では、クルド人による横暴に悩まされている。
アメリカでは、不法移民の流入が2023年に1000万人に上るともいわれ、テキサスなどの南部の州と移民受け入れをよしとする北部との軋轢が生まれ、南北戦争前夜の様相を呈している。
南北戦争の大きな理由は、南部が求めた独立であり、 奴隷制の維持である。
今年は米国の大統領選がある。共和党が押すトランプは、次期大統領に返り咲いたら、メキシコとの国境に壁を作ることを宣言している。前期にトランプが大統領だったとき手とつけ、バイデンになって中断している工事である。移民はもう受け入れないとの強い決意が感じられる。
しかしなぜ彼らは欧州やアメリカに移民しようとするのか?
それは欧米が裕福で稼げる国だからである。しかし移民が押し寄せるのは彼らが撒いた種でもある。
欧州は1800年代、中東、アフリカ、東南アジアを次々に植民地にしてきた。軍を置いて支配し、あらゆる物資を収奪して欧米は我が世の春を満喫し彼らを食い物にしてきた。
彼らが移民を受け入れてきたのは、その贖罪だともいえる。
また、アメリカの奴隷制度は、1619年8月、オランダの商人によって、ヴァージニア植民地のジェームズタウンに「輸入」され、売り渡された黒人20人が最初である。
それは1865年6月19日奴隷解放に日まで続いた。南北戦争後、リンカーン大統領が1862年9月22日 奴隷解放宣言を出してからおよそ3年後のことである。
それらの植民地は大東亜戦争後次々に独立、現在に至っている。日本軍が東南アジアを支配していたイギリス、オランダを打ち破ったことに力を得たからであると言われている。
しかしアフリカや中東など多くの国では、相変わらず紛争に明け暮れ、政治は混乱し経済はひっ迫している。
そんな国だから列強に屈し植民地になってしまったのだが、ここではそれ以上言うまい。
ともあれ、新天地を求めた大量の移民は止まるを知らず、毎日地中海を渡りやってくる。
アメリカではメキシコ国境を越え大量の不法移民が押し寄せる。それが現在の姿だ。
EUは「船を止める」ことができるのか?
欧州連合(EU)は、地中海における移民の不法横断に取り組むことを目的としたエジプトとの協定に署名することで、極右ポピュリストへの支持の急増に対抗しようとしている。
この移民・援助パッケージは、EUがエジプトに今後4年間で54億ドルの低利融資、20億ドルの投資、そして2億1700万ドルの移民対策費を含む6億5000万ドルの補助金を与えるというものだ。
コメンテーターは何と言ったか?
EUが採用した戦略は、移民危機の最前線にいる国々への経済支援を優先するという点で、英国政府のそれとは異なっている。
年間インフレ率が30%に達するエジプトは、現在900万人の移民を受け入れており、その対応に苦慮している。
イタリアのジョルジア・メローニ首相は、このような協定の推進役として、EUとエジプトの合意は、アフリカの住民にヨーロッパに移住しないチャンスを与えるものだと評価した。
欧州各国政府は、「長い間、エジプトの不安定化のリスクを懸念してきた」と『ガーディアン』紙は言う。
ロイター通信は、エジプトの「戦略的重要性」は、ガザ紛争やスーダン紛争によって強調されてきた。
しかし、新たに合意されたエジプトの権威主義的大統領アブデル・ファタハ・エル・シシへの「生命線」は、その軍事政権が野党活動家や移民の「殺害、拷問、投獄を統率してきた」ため、「ヨーロッパで非難を浴びている」「欧州議会で欧州議会議員が反対票を投じれば、まだ阻止される可能性がある」と『タイムズ』紙は伝えている。
ヒューマン・ライツ・ウォッチも、EUの「現金による移民管理」を批判している。
次はどうなるのか?
2022年の小康状態を経て、EUは2023年に地中海経由で到着する移民の急増に直面した。
これに対抗するため、EUはニンジンと棒を使ったアプローチを採用している。
トルコ、チュニジア、モーリタニア、そして現在はエジプトと協定を結び、さらにモロッコとも協定を結ぶ予定である。
密入国者を取り締まる一方で、出身国の状況改善に取り組むというこの二重のアプローチがうまくいくかどうかは、EUがコントロールできない出来事、すなわちガザでの戦争やスーダン難民の状況次第かもしれない。