世界は脱炭素に向けてまっしぐら!日本の「2035年までに新車販売EV車100%」は実現するのか?
世界中が脱炭素へ舵を切った!
菅義偉前首相は現職にある時、国内販売車の電動化について「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と表明しています。
これまで「2030年代半ば」とされてきた達成時期をより明確にしたものです。
さらに2050年にCO2(二酸化炭素)など温室効果ガスの実質排出ゼロをめざす「2050年カーボンニュートラル」の実現を掲げました。
政府はこれを受け「グリーン成長戦略」を策定し、再生可能エネルギーの普及や水素社会の構築などとともに、全ての新車電動化を30年代半ばまでに実現すると掲げています。
このように主な世界主要国は、脱炭素に舵を切り今やEVがもてはやされる時代になりました。
とくに昨今の原油の値上がりは、わたしたち消費者までがEVやハイブリッドに否応なく目が注がれることと思います。
さて、米国の電気自動車(EV)最大手のテスラ社の「時価総額」が、トヨタ自動車を超えて世界の自動車業界でトップになりました。
2019年に販売されたテスラ車の台数はトヨタのわずか30分の1に過ぎません。
それなのに、どうしてこんなことが起きるのでしょう?
時価総額は「株価×発行株式数」で出る数字で会社の価値を表しますが、現在の実力だけでなく成長力なども含めた総合的な評価が反映されます。
テスラはEVの販売台数では圧倒的な世界トップで、将来性が評価されているのです。
1980年代後半のバブル期には、世界の時価総額ランキングトップ10のうち8社を銀行を中心とした日本企業が占めたこともありましたが、今は米国のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)や中国のIT企業が席巻しています。
脱炭素がこのまま進行すれば、いったいどのような世界になってしまうのでしょうか?
というより、このまま素直にEV化が進むにはあまりにも大きな障害があることも確かです。
評論家はEVの良い面ばかりいますが、悪い面を拾い出せばびっくりすることも沢山あります。
なによりEV車の製造プロセスでは化石燃料の電気を使うこと、走るための電気も化石燃料によることは致命的です。
バッテリーも含めてクリーンエネルギーでは作られていないのです。
そういう視点で電気自動車を眺めると全く違う世界が見えてきます。
ともあれ今や、気候変動対策の要、脱炭素の錦の旗がはためいていることも確かです。
世界経済と政治は脱炭素に舵を切ったように見えます。
アメリカの電気自動車の昨今
1.電気自動車は未来への波に乗っている
バッテリー式電気自動車は、バッテリーパックに蓄えられた電気を動力源としています。
プラグインハイブリッドは、ガソリンまたはディーゼルエンジンと電気モーターおよび大型充電式バッテリーを組み合わせたものです。
燃料電池車は、水素分子から電子を分割して電気を生成し、モーターを動かします。
今では乗用車だけではありません。
ニューヨークからミシシッピまで、静かなジッパー式の電気路線バスに乗っていることに気付くかもしれません。
そして今後数年間で、電気衛生トラックはごみ収集とリサイクルのために近所を静かに滑走し、より多くの電気トラックが倉庫から家に荷物を配達するでしょう。
2.電気自動車は、気候と私たちの健康を守る
米国の気候汚染の最大の原因は自動車かもしれません。
気候変動危機を解決するために、私たちは道路上の車両を可能な限りきれいにする必要があります。
気候変動の最悪の影響を回避するためにエネルギーの使用方法を変えるには、あと10年しかありません。
車やトラックからの放出は、私たちの地球に悪いだけでなく、私たちの健康にも悪いです。
ガソリン車やディーゼル車からの大気汚染物質は、喘息、気管支炎、ガン、早死を引き起こします。
局地的な大気汚染の長期的な健康への影響は一生続き、その影響は喘息発作、肺の損傷、心臓の状態で裏付けられます。
COVID-19のパンデミック(呼吸器疾患)が広がり続ける中、ハーバード大学の研究では、「米国における有害な微粒子状物質への長期曝露とCOVID-19の死亡率との間に著しい関連がある」ことがわかりました。
微粒子状物質汚染(PM 2.5)の主な原因の1つは、ガソリンおよびディーゼル車のエンジンからの燃焼です。
デューク大学による以前の研究では、化石燃料が原因とする医療費について試算されていました。
ガソリンスタンドで購入したガソリン1ガロンには、最大3.80ドルの医療費と環境費がかかります。
大きなリグや農機具のディーゼルはさらに悪く、1ガロンあたりの健康と気候に4.80ドルの社会的費用が追加されます。
スモッグはロサンゼルスの405高速道路周辺の空気を汚しています。
南カリフォルニアで喘息の治療を受けている子供を母親が慰めます。
3.電気自動車(ハイブリッド含む)は、走っている間は二酸化炭素排出量が少い
バッテリー電気自動車とプラグインハイブリッド車を充電して燃料を供給する電力は、化石燃料からクリーンな再生可能エネルギーまで、さまざまな供給源に依存する送電網から供給されます。
エネルギーグリッドは州ごとに異なる可能性があります。
つまり、電気自動車を運転する際の二酸化炭素排出量は、その電力源によって異なります。
クリーンな地球への正義を謳う弁護士は、100%クリーンなエネルギーをもたらすために全国で働いていますが、そこに向かう途中で(再生可能エネルギーの消費は最近石炭を上回りました)、この国の電力の一部は化石燃料の燃焼によって生成され続けます。
電気自動車はエネルギーを自動車やトラックに変換するのにより効率的であるため、電気が最も汚れたグリッドから供給される場合でも、全体的な電気は車両の燃料としてよりクリーンで安価です。
憂慮する科学者同盟の専門家による研究で明らかにされたように、どの州でも電気自動車やハイブリッド車をグリッド上で走らせると、ガソリン車よりも温室効果ガスの排出量が少なくなります。
そして、州がエネルギーグリッドをクリーンアップするにつれて、電気自動車のメリットはより強力になります。
電気自動車の排出量があなたの住んでいる場所でどのように測定されるかを確認するオンラインツールがあります。
郵便番号と電気自動車のメーカー/モデルに基づいて、電気を使用することで節約できる炭素汚染の量に関するパーソナライズされたレポートが取得できます。
4.電気自動車は製造プロセスを見ると、新しいガソリン車より二酸化炭素を多く排出する
電気自動車の大型リチウムイオン電池は、製造に多くの材料とエネルギーを必要とするため、製造プロセスでは、電気自動車は平均的なガソリン車よりも多くの地球温暖化排出物を生成します。(たとえば、84マイルの範囲で中型の電気自動車を製造すると、排出量が15%増加します。)
しかし、車両が道路に乗ると、それはまったく別のエネルギーの話になります。
電気自動車は、運転してから最大18か月以内に製造排出量の増加を補い、寿命が尽きるまでガソリン車を上回り続けます。
分析によると、今日の道路上の平均的な電気自動車は、1ガロンあたり88マイルを走行する車と同じ炭酸ガス放出を示します。
これは、平均的な新しいガソリン車(31 mpg)またはトラック(21 mpg)よりもはるかに多いです。
5.電気自動車の利便性
電気自動車の利点の1つは、自宅であろうとバスターミナルであろうと、自宅のどこにいても多くの自動車を充電できることです。
これにより、電気自動車は、中央の倉庫またはヤードに定期的に戻るトラックやバスの車両に適したソリューションになります。
より多くの電気自動車が市場に出回り、より広く使用されるようになると、ショッピングセンター、駐車場、職場に公共の充電場所を追加するなど、新しい充電ソリューションが、自宅で同じアクセス権を持たない人々や企業に必要になります。
「信頼できる充電ができるので、迷わずプラグインハイブリッド車を購入できました」と、クリーンな地球への正義を謳う弁護士の弁護士がいます。
「電気自動車を運転する機会は、ガレージ付きの家を所有している人に限定されるべきではありません」と氏は説明しています。
「職場での充電は、電気自動車へのアクセスを民主化するための重要な要素の1つであり、この課題に対処するには、積極的に行動する必要があります。
電力会社には大きな役割があります。」
6.電気自動車は充電インフラ構築が重要
これらの車両をどのように充電するかを理解することは、取り組むべきますます重要な問題になるでしょう。
カリフォルニアの公益事業者は、州全体で電気自動車、トラック、バスに必要な充電インフラストラクチャを構築するために10億ドル以上を投資しています。
この種のインフラ投資は、公共交通機関、企業、および電気自動車を購入したいが自宅に充電器を設置できない人々にとってますます重要になります。
脱炭素はしたたかな世界のポーズじゃないのか?
EV化には問題点が山積しています。
まず製造段階で二酸化炭素を出しています。
そして充電する電気は化石燃料が多く使われています。
また廃棄時にも問題があります。廃棄が難しいバッテリーの処分方法も確立されていません。
未開地ではインフラが整っていません。もし真冬のシベリアで燃料切れを起こしたら即死に繋がります。
しかし世界の金融は脱炭素にシフトし、今後は嫌が応でもEV化に付き合わなければ生きてゆけない構造になっています。
最初はEV化に難を示していたトヨタでさえ、今ではEV化に力を入れると発表しました。
そのように言わないと世界からはじき出されてしまうからです。
わたしが思うに脱炭素は機構問題ではありません。間違いなくこれは経済問題ありで政治問題です。
世界の投資は脱炭素へまっしぐら!その結果原油の生産量が下がり、今や100ドル超えが目前です!
こんなことで日本は耐えられるのでしょうか?
実は世界中が脱炭素に舵を切ったように見えますが、世界はとてもしたたかです。
その船に乗っているのは日本だけだったりして…
そんな気がしないでもありません。
ですから、カーボンニュートラル、EV化…
そんなことをまともにやっていると、そのような夢の世界が来る前に、日本には、もっと深刻な何かが起こりそうな気がします。