虎の子のアリババ株を売却!ソフトバンクGはどこへ行くのか!?
ソフトバンクG、アリババ株ほぼ全て売却へ
12日 ロイター
ソフトバンクグループが中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングの株式をほぼ全て売却することが分かった。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が12日、米証券取引委員会(SEC)への提出書類を基に報じた。
4月12日、ソフトバンクグループが中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングの株式をほぼ全て売却することが分かった。
FTの分析によると、先渡し売買契約でソフトバンクGのアリババ株保有比率は最終的に約15%から3.8%に低下する。
同紙によると、ソフトバンクGは今年、前払先渡し契約を通じて約72億ドル相当のアリババ株を売却した。
ソフトバンクGはFTに対し、アリババ株売却は事業環境を巡る不透明感の高まりに対処する守勢へのシフトを反映したものと説明。
5月の四半期決算発表で詳細を明らかにすると述べた。
ソフトバンクGとアリババはロイターのコメント要請に返答していない。
13日の取引でソフトバンクGはほぼ変わらずで推移した一方、香港市場のアリババは一時5.2%急落し、その後下げ幅を縮めた。
ソフトバンクGは昨年、アリババ株の保有比率を23.7%から14.6%に引き下げることで340億ドルの利益を計上した。
アリババは中国当局によるテクノロジーセクターの監視強化を背景に、株価が2020年終盤に付けた高値から3分の2以上下落している。
ピクテ・アセット・マネジメントのアジア特殊事情担当責任者、ジョン・ウィザール氏は、ソフトバンクが「益の出る保有株を収益化する必要があるという考えをこれまで明確に示してきた」と指摘。傘下の英半導体設計会社アームの新規株式公開(IPO)が実現に近づいているため、アリババ株の売却ペースを緩めると一部の人は考えていたのかもしれないと述べた。
SBI証券のアナリスト、森行眞司氏は、中国のインターネット部門の規制環境がここ数年で劇的に厳しくなったため、ソフトバンクは環境の変化に対応しているだけだと指摘。全体の投資に占める中国株の割合がさらに低下すると想定できるとした。
収支が急激に悪化のソフトバンク、起死回生の一手はあるか!?
ソフトバンクは携帯電話事業などを展開していて知られているが、本業はファンドである。
つまり市中から資金を調達し投資をして利益を上げてきた。
その主流はVIEスキームである。
VIEスキームとは、例えば中国株は市中には出回らないので、ケイマン諸島などのペーパーカンパニー発行の株式に投資する仕組みである。
この株式がニューヨーク証券取引所に上場すると株価は大幅に上がり利益が生じる。
ところが近年、このような株式はニューヨーク市場に上場できなくなった。
アメリカによる中国経済締め付けの影響である。
よってソフトバンクの経営が著しく悪くなった。
悪くなったがソフトバンクは投資家に利益を還元しなくてはならない。
年25%と言われ高利回りと言うから大変である、5年もしたら元本が倍になってしまう。
しかし先の通り、当てにしていたスキーム崩壊により、ニューヨーク市場から締め出され利益が上がらない。
なのでここ数年間は何兆円もの赤字続きである。
赤字では投資家に払い戻す現金が足りない。
そこで虎の子のアリババ株を切り売りしてしのいできた。
それが、前述したロイターの記事によれば残りをすべて売却とある。
いまやソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の損失がアリババ株売却利益をはるかにしのいでいます。
しかも収支悪化スピードが早く、このままいくと、早晩ソフトバンクグループの経営が持たなくなることが素人目にも危ぶまれる状況です。
しかも虎の子のアリババ株はもうありません。
ソフトバンクGの行く末は前途多難であるように思います。