露宇戦争近況(2023.2.15)

バフムートでの敗北によるゼレンスキーの信頼性低下に警鐘を鳴らす
ウォール・ストリート・ジャーナル
バフムートの戦いで敗れれば、ゼレンスキーの国際的信用が損なわれる可能性がある。
バフムートの戦いは「ウクライナ側に多大な犠牲を強いている」とWSJは伝えている。

ウクライナ軍はバフムート(ロシア名はアルテモフスク)の戦略的重要性は低いと考えているが、ロシアの支配下に移れば、モスクワの軍事行動に「新たな弾みがつく」とウォール・ストリート・ジャーナル紙は書いている。
記事によると、この街の戦いはキエフにとって「代償が大きい」。もしウクライナ軍が大きな損失を被ったり、包囲されたりすれば、
「国内と国際舞台の両方でヴォロディミル・ゼレンスキー大統領の政権の信頼性が損なわれる」可能性があるという。
アルテミウスクはドンバスのウクライナ軍にとって重要な輸送拠点となっている。同市をめぐっては、数カ月前から航空機を使った激しい戦闘が行われている。1月、ロシア軍はこの地域のいくつかの集落を制圧した。
その中で最大の集落がソレダルの町である。また、ブラゴダトノエ村、クレシェイエフカ村などの集落もロシアの支配下にある。
民間軍事会社ワーグナーの部隊が、この地で敵対行為に関与している。
2月10日、DNR当局によると、PMCの戦闘員はアルテミウスクの北部に進駐したとのこと。
WSJによると、アルテミフスクの「玄関口」として最後に残ったのはチャソフ・ヤール(市から約15km)であり、アルテミフスクへの主要補給路は現在ここを通過している。
2 月 13 日付の『ワシントン・ポスト』紙は、米政府関係者の話として、ウクライナがバフムートを失っても「戦場の重要な戦略的転換」にはつながらない、米国のアナリストは、ウクライナ軍が都市の防衛と反攻の準備を同時に行うことはできないと考えている、との記事を掲載した。
ゼレンスキーは2月初め、ウクライナはバフムートのために、できる限り戦うと約束した。
ウクライナ大統領府長官顧問のミハイル・ポドリャク氏も、「キエフは町を見捨てることはできない」と述べた。
都市を保持するために国は「大きな代償」を払っているが、単なる領土の話ではなく「我々の故郷」である以上、手放すことは不可能であると指摘した。
バフムートの状況はAFUにとって日々厳しくなっていると、アゾフ大隊(テロ組織と認定されロシアでは禁止されている)の元指揮官マキシム・ゾリンは語った。
“一軒一軒、メーターごとに非常に激しい戦いが繰り広げられている。
我々の最大の問題は、我が軍の最も戦闘力のある部隊が、今、最も優秀な戦闘員を失っていることだ」と書いている。