ネタニヤフとハメネイの「野望」

イスラエルが核施設空爆 イランもドローンで反撃 軍事衝突激化の恐れ
6/13(金) 14:27配信 時事通信
【カイロ、イスタンブール時事】イスラエル軍は13日未明(日本時間同日朝)、イラン中部ナタンズのウラン濃縮施設や各地の軍事目標に空爆を加えた。
ネタニヤフ首相は「大成功だ」と成果を誇示した。核開発の主要拠点が標的となり、軍トップも殺害されるなど打撃を受けたイランは報復としてイスラエルに向けて100機以上のドローンを発射したが、イスラエル軍が迎撃した。今後、軍事衝突が激化する恐れもあり、中東地域が一層不安定化する。<以下略>
イランとイスラエル、事実上の交戦状態に突入…テルアビブに報復攻撃のミサイル着弾
6/14(土)読売新聞【テヘラン=吉形祐司、カイロ=田尾茂樹】イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」は13日夜、核施設などへのイスラエルの攻撃に対する報復として、ミサイルや無人機で反撃したと発表した。イスラエル当局によると、一部が中部テルアビブに着弾し、1人が死亡、数十人が負傷した。イスラエルのイラン攻撃も続いており、両国は事実上の交戦状態に突入した。<以下略>
ネタニヤフとハメネイの「野望」
イスラエルによるイラン核施設への空爆は第5次中東戦争への序章か?
イスラエルとイランの確執が本格的に始まったのは、1979年のイラン・イスラム革命以降だ。
それ以前の1950~70年代は、両国とも親米的な政権を持ち、中東でも比較的良好な関係を築いていた。直行便が運航されるなど、国交もあった。
それが、979年のイスラム革命によって一変する。
イランは親米のパーレビ王政から、反米・反イスラエルを掲げるイスラム体制に移行。
この新体制は、イスラエルを「イスラム教の聖地エルサレムを奪った敵」と位置づけ、国家として認めない方針を打ち出した。
これにより両国は国交を断絶し、イランは反イスラエルを国是とするようになった。
主な対立の要因
イランのイスラム体制は、イスラエルの存在そのものを否定し、エルサレム問題やパレスチナ問題をめぐって強い敵対意識を持つようになった。
2000年代に入ると、イランの核開発疑惑が浮上し、イスラエルはこれを「国家の存続に関わる脅威」と見なすようになり、対立がさらに激化した。
イランは、レバノンのヒズボラやパレスチナのハマスなど、イスラエルと敵対する武装勢力を支援し、間接的な衝突を続けてきた。
直接戦争は?
両国は長年にわたり直接戦争を避けてきましたが、2024年以降には相互に領土を攻撃するなど、直接的な軍事衝突も発生している。
まとめると、イスラエルとイランの確執は、1979年のイラン・イスラム革命による体制転換と、それに伴うイランの反イスラエル政策がきっかけである。
その後、核開発問題や代理勢力の支援などを通じて、両国の対立は深刻化してきた。
ベンヤミン・ネタニヤフ(イスラエル首相)の野望

ネタニヤフ首相の最大の関心は、イランの核開発能力を徹底的に排除し、イスラエル国家の安全保障を確保することである。
今回のイラン核施設への大規模攻撃も、「イスラエルの存亡を脅かすイランの軍事施設を標的とした」と自ら説明し、「イスラエルの歴史上、決定的な瞬間」と強調している。
さらに、ハマスの壊滅やガザ地区の非武装化、イランとその代理勢力(ヒズボラ、フーシ派など)への対抗、サウジアラビアとの国交正常化など、中東におけるイスラエルの影響力拡大も戦略目標に含まれている。
政権内の極右勢力は、ガザやヨルダン川西岸の長期支配を望み、ネタニヤフは国内の強硬派と国際社会のバランスを取る難しい立場にある。
またシオニストたちは、イスラエルの国旗の青い帯はナイル川とユーフラテス川を象徴しており、その間の土地はユダヤのものだ、と信じ、聖書における「約束の地」の記述(創世記15:18-21など)に由来していると言いきっている。
云うまでもなくその間の土地には、古から、他民族が住んでおり、それを実行すれば必然的に戦争になる。
アリ・ハメネイ(イラン最高指導者)の野望
ハメネイ師の戦略的野望は、イランの国家安全保障の強化と、中東地域におけるイランの影響力拡大である。
特にAIや先端技術分野での「卓越性」を掲げ、2030年代までにイランを世界のAI先進国トップ10に押し上げる国家戦略を推進している。
軍事面では、イスラエルの攻撃に対し「厳しい報復」を宣言し、革命防衛隊などを通じてイスラエルやその同盟国への圧力を強化していえる。
また、イランはヒズボラやフーシ派などの代理組織を通じて、イスラエルや米国の中東戦略に対抗し続ける構えを示している。
軍事衝突はどこまで拡大するか?
現状と今後の見通し
2025年6月13日、イスラエルはイラン各地の核関連施設や軍事施設を大規模に空爆し、イラン側も報復としてイスラエルに向けてミサイルやドローンによる攻撃を実施した。
この軍事衝突は「これまでとははるかに違うレベル」の本格的な国家間戦争の様相を呈しており、双方の報復が連鎖するエスカレーションが懸念されている。
拡大のシナリオ
今回の衝突は、イランの核開発能力を無力化するというイスラエルの目的が達成されるまで続く可能性が高い。
が、イランも革命防衛隊や代理勢力を使い、イスラエル本土やその同盟国への攻撃を強化することが予想される。
ただし、全面戦争や中東全域への拡大は、米国や欧州、湾岸諸国の介入、国際社会の圧力によって一定程度抑制される可能性もある。
一方で、ホルムズ海峡など原油輸送の要衝が戦場となれば、世界経済やエネルギー市場への影響は避けられない。
今後の焦点
軍事衝突が数日から数週間続く可能性があり、双方が「決定的な勝利」や「抑止力の誇示」を目指しているため、短期的な停戦は難しい状況だ。
ただし、恒久的な全面戦争の長期化は、双方にとっても現実的ではなく、国際的な停戦仲介や限定的な衝突で収束するシナリオも想定されている。
まとめ
ネタニヤフの野望は「イラン核の無力化とイスラエルの安全保障」、ハメネイの野望は「イランの安全保障と地域覇権の拡大」である。
軍事衝突はこれまでにない規模で拡大しており、今後しばらくは報復の連鎖が続く見込みである。
ただし、全面戦争への発展は国際社会の動向次第で抑制される可能性もある。
この戦争が、産油国に飛び火すれば、エネルギーを中東に90%以上依存している我が国の安全保障は、食料(米)に続いてエネルギーの安全保障も脅威にさらされることになる。
石破は何をしているのだ!?
国民に2万とか4万とか配って参院選挙の買収をしているときか!?
早急にロシアとの関係を修復してエネルギーを確保せよ!と、私は言いたい。